降りしきる雨の中
マクベスを三人の魔女が呼び止める
ポランスキーの血塗らた狂気の世界
魔女の二枚舌に乗せられて
野望に燃えるマクベス
王女になろうと夢見るマクベス夫人
毒婦へと変貌し暗殺計画に手を染める
王座を味わうのも束の間
無策な上に邪な行為がまかり通る訳がない
恐怖に心が蝕まれ絶望の極み
次第に恐怖に飽きたマクベスは
顔色が良くなっていく
悩み苦しむことを
白痴の独り言とまで思うようになってしまった
禁戒を破った罰を受けてマクベスは
かなり危険な状態になっていきます
人間の心の中に住む悪魔性を
投影した魔窟と化した城
心の闇、
光の当たらないドロドロさ加減に
神秘性すら伺える
ジョン・フィンチのいかにも薄幸そうな姿が
予想とおりの結果となる
さすがの悪魔も影を潜める
迫力のある芸術性の高さ
地獄を見たポランスキーだからこそ
撮れたのではないか
忌まわしい記憶を一瞬で
消し去る霊薬などは無い