大道幸之丞

エクソシスト ビギニングの大道幸之丞のネタバレレビュー・内容・結末

エクソシスト ビギニング(2004年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

昭和の時代の大ヒット大作の関連作が最近多い。「シン・シリーズ」がヒットしている日本だけの現象ではなさそうだ。

まず本作は本当に面白い。「傑作」といってよい。『エクソシスト』のメリン神父はエクソシスト中に心臓発作でなくなってしまうが、そんな彼が25年前に、「どうしてこんな羽目になったのか」を描いている。

まずメリン神父の人物設定も興味を引く。なぜ神父を辞めたのか。そんな彼がアフリカで、「キリスト教伝来以前に存在していた教会の発掘に出向く気が起こったのか」そんな彼の周囲に集まってくるフランシス神父らの存在。

鑑賞者が自然にそれを知りたくなるように設定されている。予算も潤沢なので、特殊効果も惜しみなく投入されていて、物語に常に引かれ続ける。

——ネタバレすると「キリスト教以前に、先に悪霊が存在していた」という事と、ナチスに結局なすすべなく加担した自分を許せず神父を辞めた事もわかる。

しかし良くないなと思ったのは「ナチス・ドイツこそ悪霊が行った所業だ」的に因果をくっつけてしまったことだ。キリスト教圏の方々は往々にしてこういう真似をして、「未知なる恐怖」で成立している状況をあざとく論理付けしぶち壊してしまう。それだけはいただけないと——感想を持った。

しっかり作り込まれて、そこそも怖いしオススメの映画だ。