『エクソシスト ビギニング』
原題 Exorcist: The Beginning
製作年 2004年。上映時間 114分。
配信で『エクソシスト』シリーズの第4作は、73年製作のシリーズ第1作『エクソシスト』の前を描く物語。
今作品に登場したメリン神父を主人公に、彼の若き日の悪魔との初めての遭遇を描く。
撮影は名手ビットリオ・ストラーロ、音楽は元イエスのトレバー・ラビン。
大部分は 1949 年に設定されてる。
余談ながら、作中メリン神父がフラッシュバックした直後、彼が割った鏡の中にパズズの顔が見え～る。

第2次世界大戦末期、ナチスの残虐行為を目撃したメリン神父は信仰を見失って放浪の旅に出て、アフリカの教会遺跡発掘現場で不可思議な現象に見舞われる。

ンン～今作品はイマイチ人気ないねんなぁ。
個人的には嫌いではない。
『エクソシスト：前日譚』って銘打つから問題があるんかなぁ。
映画のタイトルを変えたら（他は変えずに）、もっと評判になったんちゃうかな。
ほんの数分の1～2シーンを除いて、今作品を前作と結びつけるものは何もない。
そしてそれさえも、1作目のスピンオフちゅうよりは、むしろオマージュとして見ることができたんちゃうかな。
なら今作品は何って呼ぶべきやったのだろう？
『ランカスター・メリン：彼は悪魔と戦わなければならなかった。しかし、その前に彼は自分の中の悪魔と戦わなければならなかった。』
最近よくある長ったらしいタイトルやったら。
いや、臭いなぁ。
(センスありません🙇)
今作品は信仰の旅ってのがテーマであるかな。
すべてのシーンは、ランカスター・メリンと彼の信仰の旅を中心に描かれていた。
これは決してガチガチホラー映画じゃない。
神への信仰を失い、悪魔さえも信じようとしない人物の深い描写でした。
周囲の悪が現実のものとなり、愛する人を傷つけて初めて、彼は自分の信仰と向き合おうとする。今作品のホラー／オカルト的側面は、彼の物語の背景に過ぎない。
おそらく、見たものを見ることができるのは、信仰の旅で山に行き、深い谷に下りた人たち。
今作品を気に入らなかった人がいるのも理解できる。
ホラー映画（ましてや『エクソシスト』に匹敵するような映画）を期待して観たら、がっかりするだけでなく、今作品が伝える何層もの象徴やメッセージを見逃すことになるに違いない。
確かにおぞましい映像や暴力はあるんやけど、それさえもが自分の信仰と向き合うことを余儀なくされた風景の一部と云える。
しかし、この映画を楽しむためには、ある視点から見る必要があると個人的に思う。
個人的が涙を流したシーンや恐怖を感じたシーンと同じシーンが、人々の笑いを誘ったという事実は、誰もがこの映画を楽しめるわけではないという証拠と云える。
ランカスター・メリンが信仰を失った理由は見事に描かれていると思う。
フラッシュバックのたびに、彼の『堕落』の原因となった出来事が少しずつ垣間見え、最後にはなぜ神を捨てたのかが理解できる。
どのシーンも理にかなっていた。
少なくとも小生には。
そして、何度か純粋に怖くなったという事実が、さらに楽しさを増したかな。
たしかに、CGIの一部はかなりフェイクは否めない。
そう、最後の怪物？は、前作と何らかのつながりを持たせるために製作陣が無理矢理作った感が強かった。
彼らはそこでミスを犯したんちゃうかな。
ちゅうのも、今作品は信仰の観点からは1作目よりはるかに優れている。
前作は怖がらせるホラー映画やった。
さっき改めてシリーズ1を観たし感じるかな。
それはそれでいい。
しかし、今作品は小生の魂に、数少ない映画のように響いた。
ちなみに小生クリスチャンやないが、信仰の葛藤は人間が作り出した宗教的な区分に限定されるものではない。
今作品が心に届いたという事実は、多くのことを物語っている。
信仰の観点から今作品を見ないとしても、なぜ皆がこの映画に厳しいのかちょい信じがたい。
ホラー／オカルト映画としても、『エクソシスト2』と『エクソシスト3』を大きく上回っている。

レニー・ハーリン監督はムード、暴力、アクションで知られている。
今作品には前2作の要素が多分に含まれているが、『ダイ・ハード2』や『ロング・キス・グッドナイト』のようなアドレナリン噴出を期待した人は失望したに違いない。
彼は大げさなアクションとムードや不気味さのバランスを取ることを学んだ。
序盤の多くがスローに思えたが、映画のペースがランカスター・メリンの旅と一致していることに気づくまでは。
最初はゆっくりと、ほとんど昏睡状態で、そして最後には悟りの境地に達する。
ハーリン監督は、一人の男の信仰の旅を、美しい写真と演技で映画化するという素晴らしい仕事をしたと個人的には思う。

しかし。。。この意見は少数派かもしれへんなぁ。。。

《メリル神父。彼はこの日より”エクソシスト〟の名を受けた…》

”クリフ・ハンガー〟”ダイ・ハード2〟のレニー・ハーリン監督作品。
オカルト映画の名作”エクソシスト〟の前日譚。
あの壮絶なリーガン事件から25年前、メリル神父がエクソシストになるまでの物語。

メリル神父が1度、神を捨てた理由…
それは、ホロコーストだった…
神の力で人々を救えなかったメリル。彼が神に失望し、神を捨て、心にトラウマを抱える原因となる過去の描写は切ない…

オカルト映画としては、中盤までは引き込まれるが、後半は…（苦笑）
CGをふんだんに使っている映像に、チープさを感じ残念…
メリルを演じるステラン・スカルスガルドは好演してるけど、脚本がイマイチ…

”エクソシスト〟ファンなら、メリルが”悪魔祓い師〟となるまでのいきさつは興味深いのでは？

オカルト映画としては…な作品でした…（苦笑）

メリン神父vsパズズ！！
あの大傑作『エクソシスト』で悪魔パズズと激戦を繰り広げたメリン神父。彼の若き頃の苦悩とパズズとの最初のバトルを描くオカルトホラー。

『エクソシスト』シリーズ第4作。
なんと監督が『ダイハード2』『クリフハンガー』といったアクション映画で有名なレニーハーリン。ホラー方面でも『ディープ・ブルー』や『ディアトロフ・インシデント』といった勢いのある作品が多い。そのせいもあってか、シリーズで最も派手でエンタメよりな作品になってました。

あらすじ…
神父をやめ考古学者として活動していた主人公メリン。そんな彼に、アフリカでの発掘作業中に地中から見つかった古いキリスト教会の調査依頼が舞い込む。その教会はアフリカにキリスト教が持ち込まれる前である1500年前に建てられたという、本来なら「あるはずのないもの」。現地民たちと協力して調査を進めるうちに常軌を逸した事態が起こり始め…。

シリーズを通して描かれてきた善と悪の対決というのは本作でも踏襲されてるし、悪魔パズズを採用することで善と悪の表裏一体関係も強烈に印象付けることに成功しているので、非常に誠実な続編だと思いました。

なぜキリスト教会がアフリカの地中に埋まっていたのか。この謎を解き明かしていくに従って、そのおぞましい歴史が明らかになっていくだけでなく、本作の描こうとする事柄も露わになっていく。

善が悪を封じ込める。そして善が悪を滅ぼす。その表面上善行と捉えられる行為そのものが、実は悪にまみれた悪行なのではないのか。絶対的な善とは何か。逆に絶対的な悪とは何なのか。それをメリン神父の目を通して描き、悪魔という絶対的な悪の存在を人間の心の中に見出していく展開はお見事。善と悪の対決を戦争における侵略国と被侵略国の関係に落とし込み、それでもって、善とは何か悪とは何かを観客に突きつけるものになっている。そして、神への信仰を超常的な存在に対するものではなく、人間の善の心への信仰へと転換するのは『エクソシスト』シリーズの流れを汲むもので、誠実なものだったと思います。

ただ、シリーズ通して人間の中に眠る善の心への信頼と希望を描いていた過去作から考えると本作は少し異質はように感じました。本作では、人間の本質として備わっている善の心への不信感を前面に押し出していて、人間というのは本質的には悪であるという結論に帰結するような物語になっている。それが良い悪いという問題ではないけど、人の中に本質的に存在する善を描いてきた過去作から考えると『エクソシスト』らしくないように感じました。

今作のメリン神父は一作目のカラス神父のように信仰を失っている。その原因は、戦中のナチスによる残虐非道な行為を目にし、故意ではないにしてもそれに加担してしまったこと。そこから発展してメリン神父が再び信仰を取り戻すまでを描いているのですが、本作の描く現状では信仰を取り戻せたとは思えず、むしろ逆に信仰を失う方向へと傾くように思えて違和感を覚えました。

そして様々な事柄を内包するテーマだというのはわかるけど、詰め込みすぎてるせいで一個の作品としてまとまりのないものになっているようにも思いました。最終的にはその全てがひとつの結論へと結びつくので、逆に言えばこれだけのものをしっかりまとめ上げた監督の手腕に敬意を表するべきものかもしれないですが、もう少し削ぎ落としてシンプルにしても良かったんじゃないかな〜と思いました。

とはいえ、伝説的な作品を抱えるシリーズの序章として過去作のテーマをしっかり捉えて、さらに差別化を図ろうとした製作陣の熱い思いは素晴らしいと思います。レニーハーリンらしい作品になっていて個人的には結構好きです。

昨日忘年会だったんですけど、酒が弱いのに浴びるように飲ませられて死にそうでした…(T . T)頭がグワングワンしてフラフラだったからフィルマに感想上げられなかったけど、家に無事にたどり着けて良かった…（笑）

• #ホラー映画と怖い映画