ルーシー

ガープの世界のルーシーのネタバレレビュー・内容・結末

ガープの世界(1982年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

淡々と主人公ガープの成長を描いたものだと思っていましたが、ヘレンの不倫から始まる登場人物の人生の変化が面白かったです。

上司におすすめの映画を聴いて本作品を勧められたので見ました。「ガープの周りの世界を描いた作品で、淡々とした何気ない日常の中に非日常があることを描いている」といったコメントを事前に聞いていました。と言ってもネタバレはいやなので、サラッとWikipediaのあらすじを見て、予告編などは見ずに視聴しました。

◼️作品が描かれた時代背景
1978年に原作小説が刊行され、その後1982年に映画化されたそうです。1960年代〜1970年代は、女性が権利を主張し始めたものの、それがまだ社会に根付いていない時代だと考えています。こうした時代背景を踏まえて、女性の権利主張をメッセージとして描かれたと思います。

男性から女性に性転換手術をしたロバータも重要な登場人物として出演しており、この時代に性転換手術ができていたことは知らなかったです。女性の権利主張という意味において、ロバータの存在の意味はわかりませんでしたが、ガープが起こした交通事故後やジェニーの死後、ストーリーにおいて大きな役割を果たしていたと感じています。

1968年にキング牧師が亡くなっていることを考えると、本作品が作られた当初は、黒人への偏見がなくなってもいいと思いますが、本作品で主要な登場人物に黒人は出演していなかったと思います。そう考えると、社会運動が起きてもそれが文化として映画に反映されるのは時間がかかると感じました。(もしかしたら、黒人を登場させると話のメインメッセージがたくさん出てきてしまうからかもしれませんし、黒人が出てくるだけでメッセージ性があると考えるのもステレオタイプな考え方ですが)
ちなみに、物語の中で黒人の偏見について語られているグリーンマイルは1999年に映画として上映され、舞台は1932年です。(原作のスティーブンキングの小説は1996年刊行)

これから、いろんな批評を見て、本作品に対する考えを深めようと思います。

◼️ガープの母親ジェニーについて
ガープが寮にいる頃、ガープに対する子育ては過保護のように思えました。ヘレンとの仲を勘ぐったり、ニューヨークに出ていく時に一緒についてきたりするシーンを通して感じました。しかし自伝を出版して以降、弱者への救済を実践し、力強い女性へと成長していったと考えています。
2人目の存在をヘレンに問い詰めた時も、陰湿な姑かと思いましたが、看護婦の勘が働いたとのことで合点がいしました。最後にガープの「自分に父親はいらなかった」という言葉が届かなかったのが残念です。

◼️ヘレンの不倫について
ヘレンがマイケルと関係を持ったのは、一度きりの関係で年齢による違いを見せつけることによって、これ以上付き纏うのをやめるためだと思っていました。物語の中では描かれていないものの、その後、複数解除関係を持ったことが推察されます。ガープは家で執筆活動、ヘレンは大学での教鞭という生活の中で、マンネリ化してヘレンはマイケルと関係を持ったのかなと感じます。また、これも正確には描かれていませんでしたが、ガープもベビーシッターの女性と関係を持ったと思います。ベビーシッターと関係を持ったことを察したヘレンがマイケルと関係を持ったならば、一方的にガープがヘレンを責めるのもお門違いだと思います。仮にもウォルトは亡くなり、ダンカンは左目を失ったことを考えると(交通事故で左目を失うのも引っかかるが…)、ジェニーがガープに話した「ヘレンは間違いを犯したけど、あなたの対応は間違っている」というのも納得できます。

◼️すごい細かいツッコミ
ヘレンとガープの子どもが2人とも綺麗なブロンドだった気もしますが、そこは問題ないのでしょうか…笑
ルーシー

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