Melko

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地黎明のMelkoのレビュー・感想・評価

3.6
「所詮カンフーは、銃には勝てないな…」

燃え上がるカンフー魂
主役は実在の武術家で医者のウォン・フェイホン、演じるのはジェット・リー(名前がまだリー・リンチェイだった、ハリウッド進出前)
実在の人物を演じているからこその、少しのリアルさ
これでもかと見せてくれる蹴りとカンフー…!
なんだけどなぁ。長かった。100分ぐらいだとスッキリまとまってたのになぁ、と。

シリーズ中一番カンフーシーンが多いそうで、どうりで猫も杓子も戦いまくっていたけど、なにせ主役のウォン・フェイホン以外のメンバーが全員ポンコツ&グズすぎて、話のテンポが異様に悪く感じた。
中国、アメリカ、イギリス、宣教師に地元ヤクザ、果ては道場破りと登場人物もエキストラも多く、その全てがなんか間延びしててセリフの間がなんか微妙なので、カンフーシーン以外がダレる。
叔母もウォンから「早くアメリカに戻れ」って言われてたのを無視して自分の意思で混乱の中国に残ってたので、トンデモナイ事態に巻き込まれてズタボロに。チンピラにやられる姿は痛々しいけど、自分の意思で残っているし元々危機管理能力が低めなのであまり可哀想には思えず。しかしそのピンチに決着付けてくれたのが、ウォンではなく一緒に捕まってた女たちってのはちょっと胸熱だった。
ウォンについたり道場破りについたり、コウモリ野郎のフーにユンピョウ。にしてはカンフーシーンが控えめで、顔の演技でエモーショナルな演技
余計なことしかしないウォンの弟子のデブとガリ。特にデブはホントに余計なことしかしない。イライラ。でも師匠から「戦え!」と戦闘OKの許可が出ると力を発揮。
英語は堪能だけど中国語が苦手なソー。カンフーもダメで中国語も読めないから治療の役にも立てない。最後の英語での大砲アシストは些か強引では笑

そんな超グダグダなメンツに囲まれて、道場焼かれたり警察に連行されたり散々な目に遭い、なんだか段々可哀想になってくるウォン。ジェットリーは流石の動きとキレ。この時27,8歳なのかな、もう、キレッッキレ!!
他のアクションスターなら受けるであろう敵の子憎い攻撃を、交わしつつ蹴りを真正面からお見舞いする動きが大好き!
ぶつ切りの各シーンのカンフーも良いけど、特にラスト20分、道場破りとのファイトはもう神々のお戯を見ているかのような鮮やかさ。このシーンは15回転ぐらいできる。なんなら既に3回ぐらい巻き戻して見た。
ワイヤーはあったのか?
梯子を駆使してのマトリックスみたいな立ち回りはもう何が起きてんのかよくわからん笑
生傷必至!

あぁ、そんな功労賞もののファイトなのに、後ろで流れてるBGMが全く気合い入らない!これは納得いかない!なんで!
回転卓がある中華料理屋で流れてるような軽ーい中華音楽がずーーっと流れてて、音楽の意味なし。。なんとかならんかったんか、、
あんなにファイトシーン頑張ったのに、、音楽でもっと魅力増したはずなのに…残念至極
OPの浜辺での特訓シーンのBGMはあんなに渋かったのになぁ…あれで音楽作る体力使い果たしたのかな。

カンフーシーンの山盛り絶頂を最初に見ちゃったので、どこまでこのシリーズ追うかはなんとも言えません
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