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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地黎明のfieldのレビュー・感想・評価

4.6
続けてシリーズ一作目、数年前バックインシネマという企画のリバイバルで観る事が出来た。
壮士凌雲、侠気冲天、冒頭だけだが香港一獅子舞の似合う男、リンチェイ版黄飛鴻。この後ウォン父としてお馴染みのラウ・シュンさんは政府高官として登場してる。イーの父、大叔父はウーマ。

諸外国から包囲され行く末を憂う清朝末期に暗躍する人身売買の米国のジャクソンと結託する沙河の小賢しいチンピラ連中、弱い市民から金を巻き上げ道場に火を放ち、政府は政府で提督は外国の肩を持ち武術を目の敵にする理不尽な対応。武術だけでは食えず世間の風当たりを受ける鉄銅拳のイムも利用されるのが分かってて沙河に味方するジレンマを抱えてる。
銃は剣より強し、武術を伝統と捉えるウォンにも生き抜くい時代だったろうな。それもあって徐々に溜まるフラストレーションを発散させるような締めくくりが痛快だ。

西洋医学を学び救えない命に涙する出っ歯のソーや師匠想いの辛抱強い肉屋のエイ、西洋の不信や現状の焦りもあるが師匠の弟子に対する厳しさはこの弟子あってこそ、厳しさの中に愛があるのが分かる。早とちりフーのユンピョウが良い意味で引っ掻き回してたが、イムに弟子入りしたフーの師匠に対する目も。師弟愛の強さが魅力。
お互い馬鹿にするエイのケント・チェンとソーのジャッキー・チュンのやり取りも微笑ましい。

散りばめられたアクションの完成度は言うまでもがないが、観劇での打点の高い蹴りや道場破りのイムと雨の中での師匠の体捌きも華麗で好きだし梯子を使った不安定な場所での激しいアクションはボリューミーで見応えがある。ダブルスタントの熊欣欣は何処で変わってるか分からないな。
一番好きなのは銃弾をデコピンで弾くとこかも。
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