Ryoma

ウェンディ&ルーシーのRyomaのレビュー・感想・評価

ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)
4.2
映画を含め効率やスピードが優先される昨今の時代・風潮の中で、あらゆる要素を削ぎ落とし間や余白を重視したアメリカ🇺🇸の女性監督ケリー・ライカートとミシェル・ウィリアムズがタッグを組んだヒューマンドラマ。
主演である彼女の生い立ちなどの背景や人物像がほぼ語られない抽象的な設定ながら、今を懸命に必死に生きようとする彼女の強い意志や過疎化・不景気が続く現代社会における生きづらさが鮮明に描かれていた。作風は暗めだが、独特なカメラワークやミシェル・ウィリアムズの秀逸な演技に引き込まれたし、相棒の愛犬ルーシーがなんとも可愛くそれがかなり癒しだった。人生の中で、悪いことが続く負の連鎖に陥る時期もあれば、一方で幸運が舞い込んだりして良い時期もあるように、世の中には、悪い人ばかりではなく、心の澄んだ良い人もいるんだよね、と信じたくなる作品だった。
Ryoma

Ryoma