カタパルトスープレックス

ウェンディ&ルーシーのカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)
3.9
ケリー・ライカート監督の「どこにも行かないロードムービー」です。

初監督作品『リバー・オブ・グラス』を自ら「路のないロードムービー、愛のない恋愛映画」と評したケリー・ライカート監督ですが、本作はなんと形容したらいいのだろう。ボクは「行き場のないロードムービー」だと受け取りました。

相変わらずストーリーテリングがうまい。出発点と終着点が描かれない。なぜウェンディー(ミシェル・ウィリアムズ)はインディアナを離れたのか。なぜアラスカを目指すのか。そこは重要じゃない。重要なのはオレゴンで立ち往生してしまったこと。人生というのは結局のところ「立ち往生」なのかもしれない。それがメッセージなんじゃないかと思いました。

主な登場人物はウェンディーと犬のルーシー(本名もルーシー)だけ。あとは警備のおじさん。なんか本作のミシェル・ウィリアムズはすっごく若くて少女のよう。役者ってすげーなーと思う。