周辺住民

ウェンディ&ルーシーの周辺住民のレビュー・感想・評価

ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)
4.2
ケリーライカート視聴二作目。予想を大きく反して構成に社会的な面が目立つ。

たびたび言及される定住する場所としての家の(概念の)有無。
家が無ければ例え何処へ行ったとしてもよそ者にはかわりないこと。
「よそもの」という事実におびえながら、その実、よそものであることを盾にしようとする彼女の浅ましさ。
北上を続ける彼女の未来に明るさはなく、冷たさが残る。
仕事を探す為ならわざわざアラスカへ行かなくても良いだろうに。

自業自得という言葉ではとても言い表せない。

大事なものを置いていけばきっとどこへでも行けるけど、そこまでして何処かへ遠くへ旅立つ必要なんてあるのだろうか、とも考えたけれどラストシーンの選択をもって、アラスカへの道が意思のない逃走から、明確な理由を持った旅になったのだと思うと、薄い灯りが見えないでもない。
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