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激怒のyaaaのレビュー・感想・評価

激怒(1972年製作の映画)
4.0
アカデミー賞あげるというのにいらないと言えるポリシー(偏屈)のあるジョージ・C・スコットの監督・主演作品。

ジーンズのCMが似合いそうなアメリカンな父子。キャンプに出て一夜明けると子が汗かいて失禁して震えている。慌てて病院へ。
軍が神経ガスを誤って撒いていたのだった。
そうそう勿論そのことは軍は隠蔽しますって話。

ガッデム!ちくしょう!と怒るしかない。

前半の何も知らされない親子の境遇はなんとも静かに展開するが恐ろしい。
事実を知って知らんぷりする軍医のマーティン・シーンがこれまた何考えてるかわからん顔だから恐ろしい。

後半、スコットさんが「激怒」して関係方面壊してまわるがそれも核心に触れず空回り的展開なのも恐ろしい。

権力に踏みにじられ抵抗する主人公ということではアメリカン・ニューシネマなんだろうが、なんか感触が違う。
絶対に立ち向かうことの出来ない巨大な壁を感じるとともにそれに対して「激怒」するというよりも受け入れるすべしかない無情に「激怒」するしかない感じ。

シーンの繋ぎ目で謎に思えるスローモーションやジョージ・C・スコットさんが盗んだバイクで走り出す軽快なカットもあったりして初監督ということでもなかなか味のある映画になっている。そして常に怒りは感じられる。

ラロ・シフリンの音楽がカッコいい系でなくて美しくてもの悲しい系です。
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