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海を渡る波止場の風のニシのレビュー・感想・評価

海を渡る波止場の風(1960年製作の映画)
4.0
旭の登場の仕方や、旭と宍戸錠の喧嘩とタッグ結成、ダンスホールでの乱闘など日活映画らしい見どころが用意されつつ、クライマックスの船上の乱闘で海に落とされる輩共はそれまでに犯してきた罪々を隠蔽するためにその海に証拠を沈めてきたはずで、彼らもまた海に沈められることで観ている我々は一種のカタルシスを得るわけだが、それは最早何を解決するでもなくまた更なる罪を重ねまた罪を生み出す契機になるに過ぎない。ラストの桜島や汽車が横切る美しい景色は、そういった罪を隠蔽した上で(もしくは汚いものを積極的に見ないようにすることで)成立するもので、その文明のやるせ無さを感じ取るように、小林旭は汽車に乗りまた別のどこかに旅に出て、浅丘ルリ子はカメラから背を向ける
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