ねじ

ローラのねじのレビュー・感想・評価

ローラ(1974年製作の映画)
4.0
大阪でパフォーマンス上映を観る。映画が拡張された作品だった。まさに上映中に拡張された。スクリーンの女が客席に向かって語りかけたとき、わたしは客席を見回さずにはいられなかった。そのとき、映画はまさに客席まで及んでいたのだと思う。客席を見ている=映画を観ているになった。投げられるナッツ!笑(ナッツというのがおもしろい)
この男役をやれるのが世界で一人しかいないというのもおもしろい。わたしはそれを目撃したのだし、偏陸さんの人生の歴史を刻む瞬間を目撃したようだった。わたしでいいのだろうかと思う。けれど歴史に立ち会っていたのはわたしだった。
願わくばもう一度観たい。スクリーンに現実がすいこまれたとき、スクリーンはただの平面ではなくなった。むしろわたしが平面になったのかもしれない。とにかく、世界の境界が揺らいだ。偏陸さんが裸で出てくるのがおもしろい。境界を越えるとき、それぞれ大きな拍手が起こった。拍手が起こった映画は人生で二度目。
ねじ

ねじ