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ヤコペッティのさらばアフリカのdiesixxのレビュー・感想・評価

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野蛮で愚かな人間たちを描くために、自身も野蛮と残酷の魔物と化してしまったヤコペッティの真骨頂。『世界残酷物語』のような面白映像ショーケースとしての荒々しさはなくなったものの、画力のキレは増していて、やらせとリアルの混ぜ具合も巧妙化してしまっている。
動物たちが殺される場面を延々と見せられるのはかなりしんどい…が、映画史上の名作とされる『ハタリ!』だって動物虐待には変わり無いわけで、あのマッチョで白人主義で、おまけにロリコン志向のおじさんたちのきっしょいナルシシズムと比べたら、暴力に自覚的なこっちの方が幾分正直で許せる。
有名な夕日をバックにシマウマぶら下げて飛ぶ映像と、南アで海水浴する白人女性と民族衣装から洋服に着替える黒人女性を対比したシークエンスが、幻想的で美しく印象に残る。
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