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パリ、テキサスのicのネタバレレビュー・内容・結末

パリ、テキサス(1984年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

以前鑑賞した際に、音楽と間の心地よさからか、ウトウトと寝落ちてしまい、そこから数年後…
やっと改めて観れた。

まず、全てのシーンがどこを切り取っても美しかった。衣装による差し色、モーテルのドアから覗く真っ青な空、ススキの揺れる家の庭、ホテルの駐車場からみえる夕焼けなのか朝焼けなのかわからない景色……。マジックミラーで重なる二人の顔の画も素晴らしい。
洋服もさりげなくおしゃれ。気取ってるんじゃなくて、ほんとに差し色とか合わせ方とか。

そして内容も、いい意味で想像していたものと違って、グッとくるものがあった。世の中では夫婦や親子、家族で暮らすという形こそが愛だと当たり前のようにされているけれど、それは困難な場合もある。愛情があってもそれが時にコントロールできない方向にいってしまったり、上手く表現できない時がある。相手が大事だからこそ自分がそばにいない方がいいのかもしれないと、自分の舵を失った途端、自身さえ怖くなることさえある。その苦しさと狂気をシーンで描くのではなく一人の男の形の果ての姿で表していることに、そこがまた良かった。


…いいムードで終わる上に傑作として名があがる作品だけにあまり言いたくないけど、兄さん夫婦はどうなったのやら、、
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