ダイナ

パリ、テキサスのダイナのレビュー・感想・評価

パリ、テキサス(1984年製作の映画)
4.7
失踪していた兄貴トラヴィスが4年ぶりに発見されたものの寡黙を貫いてどうしたものか、なロードムービー。トラヴィスは何故失踪したのか?という謎をゆっくり掘り下げつつ、親子・男女の関係を繊細に描いていて素晴らしい作品!

ぎこちなさは減ってきたもののどう接して良いものかお互い様子見段階のトラヴィスと息子ハンターが道路隔てて、ハンターが真似っこしてくるシーンがもーーー可愛い!道路隔てた距離感のこのシーンの後近づく感じがたまらんのですよ。段々とバディ感出てくる旅パートから核心に迫っていく終盤→クライマックス、終わり方には適切な言葉が見つからないものの、満足な余韻だけは確かに感じてます。

荒野から高速道路、ダイナー、街並み、ロケーションがどこも最高。映えスポット抑えまくってるのか、撮り方が上手すぎてカメラの魔力で映えているように見せてくれているのか。終盤での反射を利用した画作りも魅力的です。ライ・クーダー奏でる美しい哀愁を漂わせていたスライドギターも良い。色々と賑やかさからかけ離れた演出、バイオレンス無し、狙った笑わせ無し、台詞は控えめ(終盤はそうでも無いけど)で終始緩く寂しい雰囲気だけどもそこが本作の魅力なんです。「沁みる」というか「もどかしい」というかそんな言葉が適当な気がします。
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