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パリ、テキサスのyuiのネタバレレビュー・内容・結末

パリ、テキサス(1984年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

大好きだけど、ここで終わらせないとお互いもっとクズになる。

そう思って、ひどく愛し合ってる人と死ぬ気で離れた経験がある。だからトラヴィスの気持ちが解る。やん、痛い。

こんな内容とは知らず興味本位で見てしまったら、思いがけず自爆した。白目。

息子だけ顔を合わさせて、自分は会わないで去る。その気持ちも、ものすごく解る。

1秒でも顔を合わせたら、きっと簡単にまた始まってしまうから。

その愛の魔力は一度燃え始めるとなかなか鎮火できないし、鎮火するためには時間も労力も心労もとんでもなくかかってしまうことを知っているからだろう。この関係性に”成長”だの”受け入れる”だの、そんなものは無い。性質上、もう抗えないことなのよ。

出会ったが最後。

惹かれ合いすぎるが故、お互い壊れ・壊し合ってしまう。

宿曜星術で言うと、”近距離の安壊” ってやつです。

ちゃんみなの曲で言うと、”Never Grow Up” です。

今となってはいい思い出。

こうやって余裕を持って言えるようになるまで結構かかったけどね。

彼と離れてから、つっかえていた土砂が無くなり一気に川が流れ出すように

私は仕事がいっきに昇進したり、人生も生きやすくなった。

もちろん今でも彼を愛してるし、ずーーっと恋焦がれてる。

7年の関係を終わらせた最後の日。

話が決着し、2人の家を出て行った彼。

ひとりぼっちになった瞬間、我慢していた涙が噴射し泣き崩れる私。

しばらく経つとまた部屋に戻って来た彼。

私を見るなり両腕をふわっと開き
「本当にいいんだな?」
と言った。

彼のその腕に、まんまと飛び込まなくて本当に良かった!私偉かった!

とも思ってる。けれど

来世でも出会えるならもちろんまた同じように出会って、やっぱりボロッボロになるまで愛し合いたい。

とかも、思っている。

トラヴィスと、酒飲みたい。笑
 
"説明をしない作り"なのもいいね。この映画。


2023年259本目
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