Hirommy

パリ、テキサスのHirommyのレビュー・感想・評価

パリ、テキサス(1984年製作の映画)
5.0
年末はRy Cooderカバーもする超絶格好良いギタリストのライブと、ヴィム・ヴェンダースのパーフェクトデイズで終わったので、その流れで新年(もう1月半ばだけど)1本目は同監督のコレ。いやぁ心震えました。終始ベースにある人の温かさは一昔前のそれでいちいち響いた。人間関係ですら損得や効率で測る現代ではもう取り戻せない類の温かみだなあと思うと悲しくなった。そして人は哀しくて、間違う生き物。基本は孤独。でもだからこそ大切な人とリアルに交わる一瞬が儚くも輝く。諸行無常。留まるも地獄、逃げるも地獄。愛するが故にさすらうという苦渋の選択。若い時は苦手だったヴィム・ヴェンダース作品の魅力が、今になってようやくわかるようになった。荒涼とした砂漠に映える物哀しい赤、テレクラ部屋に映えるショッキング・ピンク、無機質なホテル内での感動の緑。原色効果も凄かった。
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