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悪の愉しさのyusukepacinoのレビュー・感想・評価

悪の愉しさ(1954年製作の映画)
3.6
石川達三の小説が原作。彼の作品は以前読んだ『金環蝕』や『青春の蹉跌』など硬質な筆致なのがかなり好きで映画化されたそれらも昔に観て好きなんだよな。
伊藤久哉の映画デビュー作。森雅之や久我美子を向こうに回して新人とは思えない堂々たる演技。後の梅宮辰夫による夜の青春シリーズからの一連の作品群の主人公をも想起させる見事なクズ男っぷり。あれらよりも10年も早く作られていることにびっくり。本作ではプレイボーイじゃないのもあってジメッとしていて陰湿で嫌。全く救いようがないとはこのことか。
一向に自分の非を認めない姿勢がすごくて最後まで貫き通すのが最低。
一方でしれっとした森雅之もなかなかの者。
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