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悪の愉しさのseapony3000のレビュー・感想・評価

悪の愉しさ(1954年製作の映画)
5.0
久しぶりにみたけれど……わーい最高。最強の地味ダークヒーローはやっぱり伊藤久哉。明らかに重症で手に負えない精神疾患の男が、いわゆる"信頼できない語り手"として最後まで突き抜ける。自信満々キレキレのモノローグ、作り手がわかりやすく説明しないところがとにかく素晴らしい。偽善と欺瞞と開き直り、息を吐くように発する伊藤久哉のセリフが心地よく身体中に沁み渡る。小悪党の鏡。天才・猪俣勝人の名脚本。ジムトンプソンも嫉妬するレベル。死体に止まるトンボ。
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