スギノイチ

続・酔いどれ博士のスギノイチのレビュー・感想・評価

続・酔いどれ博士(1966年製作の映画)
4.0
中々意欲的な1作。
冒頭からしてチンピラ達による少女輪姦という日活映画チックな過激シーン。
痛快でストレートな作風だった前作に比べ、セックス・ドラッグ・サイケ・公害・アニメ演出等、70年代的なアイコンを先取りした様なカオスムービーと化している。
勝新のキャラクターに乗っかって小じんまりしてしまっている前作よりも、これが返って面白いのだ。

「SX貿易商会」社長(清川虹子)、淫乱助手(樹木希林)、自称・肉体派売春婦(春川ますみ)、アンニュイ警官(荒木一郎)…
まともな人物が殆ど登場しない映画だが、周りの濃いキャラに押されつつも、
・横に並んでいた敵4人をワンパンチで横薙ぎ
・全力パンチで敵が水平に吹っ飛ぶ
・アッパーを食らった敵が天井に突き刺さる
等、ハチャメチャ過ぎる勝新バトルは今作でも健在だ。
助手役の樹木希林がギョロ松を評した「暴力的ヒューマニズム」というフレーズは、勝新太郎そのものを言い表した至言じゃないだろうか。
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