これが渋谷実ならもっと笑えないえげつない作品に仕上がっていただろうに…と番匠の上品ぶり。この生煮え感が気持ち悪さをさらに浮き出している。みた後じわじわくる作品。眉毛薄めの高峰三枝子の不気味さも絶妙。

ひらがなの「き」の形が可愛いタイポオープニング楽しい。全未亡人もそれ以外の人類も皆伴淳の虜。最初の仕事中に着てたベージュのセットアップ、私物氏がいつもの英語刺繍して発売すんでねーの。訓様のやつより売れちゃうね。初めての西洋布団パフパフ、スリーピージョーンズみたいな縞パジャマ萌え袖にして三枝子を水責め。コート着こなす大泉滉も伴淳も無精髭素敵。と言いつつも長崎の伴淳思い出してもうまたそっちが観たい。おぢさまブルーフィルムの客に「頭を低く」のアナウンス有り。ピンクの客に一番必要な言葉。

番匠の懐の広さ。
週刊誌連載のエッセイも、渋谷実ならうんざりしていたはずだが下衆なお下品ムービーにならずにかと言ってライトなお手軽ムービーにもならないから番匠はつくづく職人でござんすな。岩下に迫られる伴淳は「天使が俺を追い駈ける」の小百合に追いかけられる三木観てるようで終始うらやまたのしい。ブルーフィルム上映会でチョイ出の嵯峨三智子なのにクレジット随分前にあったんだけど何なの美人は徳ね。

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