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必死剣 鳥刺しのcamusonのレビュー・感想・評価

必死剣 鳥刺し(2010年製作の映画)
3.7
藤沢周平の原作は未読です。
原作は短編集隠し剣シリーズの中の一編で、
同シリーズから他に「隠し剣 鬼の爪」や
「盲目剣谺返し」(武士の一分)などが映像化されていますが、
それらも未見です。


久々に骨のある、しっかりとした時代劇を見た気がします
キャストにごり押し感がなく腰を据えてみることができます
(本来当たり前のことですが・・・)。

主要キャストいいですね。
豊川悦司、吉川晃司の両者がこれだけ渋い味を出せるとは。
バカ殿(村上淳)も雰囲気出ています。岸部一徳は相変わらず安定してます。
池脇千鶴の純朴一途な役はどちらかというと見た目相応で、
もうちょっと変化ある役をやらせたほうが面白いと思うのですが、
まあこれはこれでよいでしょう。

話もシンプルで無駄がなく、
キャラクターの立ち位置もわかりやすく整理されています。

志からすれば、むしろ手を組むべき者同士が、
立場上、命をかけて剣を交えなければならないところに、
侍(さぶらうもの)の悲哀を感じました。

映像も落ち着いていて、
信念を貫く侍たちの姿を損なわないものでした。
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