ナッツ

シックス・ストリング・サムライのナッツのレビュー・感想・評価

3.5
何回観ても理解できないのに何回も観てしまう不思議な映画。
数回観てそれなりに解釈できた話の流れとしては、廃れゆくアメリカンロックと、台頭してきたヘヴィメタルの覇権争いが、ディストピアとして描かれた世界大戦後のアメリカを舞台に展開されます。
主人公は眼鏡でボロボロスーツで仕込刀付きのギターを背負ったカンフーの達人。
道中で拾った子供とともに、ロストベガスへ向かう旅を続けるも、襲いかかる異形の敵たち!
ボーリングするやつ、人食い一族、地底人?ソビエトの軍人等。
それらをカンフーとソードアクションでなぎ倒していく様は正直めっちゃかっこいいです。
ただもうほんまストーリーが不思議かつ哲学的過ぎて僕の凡人脳では理解が追いつかないのですね。
主人公のビジュアルイメージとしては、バディ・ホリーです。
バディ・ホリーがギター背負って刀とカンフーで戦うって想像すると伝わりやすい…のか?
あと、子連れ狼的な。
なんかね、ほんまに色んな要素が混沌と散りばめられていて、何回観ても完全に理解できてないんですよ。比較的見易いカルト映画ぐらいのノリで観るのが正しい姿勢なのかとも思うのですが、つまらないとは言わせない不思議な魅力があるのもまた事実で、数年毎に定期的に観たくなるんです。
なんなんすかねこれ。
天一のラーメンて毎日はきついけど、定期的に食いたくなるじゃないですか。あんな感じなんですかね?
この作品、なんと、原案脚本主演をジェフリー・ファルコンが務めるという、まさにジェフリー・ファルコンのジェフリー・ファルコンによるジェフリー・ファルコンのための映画となっており、ジェフリー・ファルコン激押し勢にはたまらない出来栄えに違いないです。

僕は20年前、初めて観たときのオープニング、世紀末的な悪役たちに草むらで襲われる親子を奇声を上げながら救いに現れた彼の男前っぷりにそれこそ呆けるほどの衝撃を受けまして、めっちゃ彼の他の作品を探したのですが見つけられませんでした。
万人にはまず進められないし、説明してと言われてもストーリーを完璧に説明することすらできないのですが、スーツに眼鏡にギターに刀の組み合わせって問答無用でかっこいいと気づかせてくれた僕にとっては珠玉の作品です。
これからもたまに観るかと思います。


追記、調べたらどうやらけっこう色々
出てるみたいですね。機会があったら観てみます。
ナッツ

ナッツ