ゆずきよ

パーフェクト ワールドのゆずきよのレビュー・感想・評価

パーフェクト ワールド(1993年製作の映画)
4.8
皆様あけましておめでとうございます。
年始一発目、仕事初めの映画はやっぱりクリント・イーストウッド監督作品で。
過去何度も観ていますが、ちゃんと観るの実は久しぶり。
大好きな映画の一つです。

物語は、脱獄した殺人犯2人組が押し入った家で子供を人質にして逃走するというお話です。
初見では冒頭のお面が怖いと思ったのですが、2回目以降はこのシーンだけで3杯いけます。
逃走犯の1人である主人公を演じるのはケヴィン・コスナー。
それを追いかける警察署長にクリント・イーストウッドご本人という配役。
誘拐される子供はT・J・ローサー。困り顔がとってもキュートです。
ハリウッドの子役は、シリーズ物じゃ無いとあんまり大成しないイメージがあるのは私だけ?
マコーレ・カルキンも名前は聞くけれど良いニュースでは無いし…。
何本も出演作を観ているのはダコタ・ファニングくらいかしら。
それはさておきケヴィン・コスナーとT・J・ローサーは逃走を続けていくうちにどこか通じ合ってしまいます。
元々が根っからの悪では無いケヴィン・コスナーは、父親をあまり知らない子供にとって、良くは無い良い見本になってしまうのかな。
所謂ストックホルム症候群というやつだと思うんだけれど、これが後に良い方向へと進んでくれれば良いなと思ってしまうのです。
イーストウッド監督作品ではフォードの車を良く登場させるが監督の趣味?
どういう風になっていくのか心落ち着かない展開と、合間に繰り広げられる会話劇(主に警察サイド)のシュールさが私のツボに見事ハマってしまいました。
終盤で農作業をしている一家の所へ一泊お世話になるのですが、何が正しいのかをまたも揺さぶってくるイーストウッド監督。
そのままの流れでラストシーンへ。
ここからは…もう、本当…観て!!(ネタバレになっちゃうから)
最後にしっかりと視聴者の拳を代わりに叩きつけてくれる(物理)イーストウッド監督には本当してやられました。
エンドロールの美しい風景も印象に残ります。

やっぱり面白かったです。
宗教と教育、真の悪とは何か、ケヴィン・コスナー演じる主人公とイーストウッド演じる警察署長の関係性など、大筋と関係無くもないバックボーンの演出が良くて深く考えさせられます。
人間誰しも良い部分と悪い部分があってそれを上手くバランス取らないとダメなんですよね。
隣人には優しく、けれど身内に厳しくして良いわけでは無い。
使い古されててあんまり言いたく無いけれどもう言っちゃうよ。
本当に映画っていいもんですね。
今年も良い映画生活を送れそうです。
ゆずきよ

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