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ツバルのleylaのレビュー・感想・評価

ツバル(1999年製作の映画)
3.9
チュルパンちゃん目当てで前情報ゼロで観始めたら、サイレントと知らずに監督の解説字幕付きで観てしまいました。すぐ気づいたけど、映像世界と監督の解説が面白くてそのまま見続け、次にサイレントでも観ました。

映像へのこだわりが詰まったファンタジー。監督は言語がなくても世界中に理解できる作品を作りたかったそうです。時代も国もわからない不思議な世界観。

室内プールで盲目の父と働くアントン(ドニ・ラヴァン)は外の世界に出たことがない。ある日、エヴァという娘(チュルパン)と出会い、やがて外に旅立つまでの話。

廃墟のような室内プールはブルガリアに実際にあるプールで撮ったそう。手作り感のある美術セットやミニチュアの建物が凝ってる。室内はセピア(暖色)、室外はモノクロ(寒色)、悪い兄がいるときはグリーンで描かれる。

チュルパンちゃんの可愛さはもちろん、ドニ・ラヴァンが出てて嬉しい。ハマリすぎて、彼の存在感が際立ってる。あと亀仙人みたいなお父さんも面白かった。

監督のちょっぴり変態チックな描写もありますが、チュルパンちゃんなのでそこは健康的。特に魚と共にプールで泳ぐシーンが美しかった。

プールに浮かぶ棺は『デッドマン』を彷彿。おとぎ話のような作品で好きな世界観でした。

※ツバルとは実際にオセアニアにある島だそうです。
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