イペー

ツバルのイペーのレビュー・感想・評価

ツバル(1999年製作の映画)
3.8
名もなき遠い国はセピア色。
監督がこだわり抜いたロケーションの数々は、いずれも無国籍な佇まいを見せつつ、強烈に郷愁を誘います。

セリフに頼らないシンプルなストーリーも相俟って、声や表情の賑やかさがまた心地良い。
たまにはのんびりと雰囲気に浸る作品、というのもアリですなぁ。

荒れ果てた土地にポツンと建つプール、
設備はオンボロ、お客もまばら。
存続を望むのは、数少ない常連客と経営者一家のみ、という寂しい状況。

主人公のアントンは気弱なボンクラ男子。
盲目の父親にこき使われながら、海の向こうを夢見て心を慰めています。

ある日、プールを訪れた父娘。
謎めいた美少女エヴァとの出会いが、アントンの、そして一家の運命を大きく変えていくことに…。

本作の魅力を語ることは、エヴァを演じるチュルパン・ハマートヴァの魅力を語ること、と限りなくイコールでありましょう。

いや、ホントにカワイイんです。
デビュー当時の宮沢りえのような。
健康美? コケティッシュ?
そんなチュルパンが一糸纏わぬ姿で泳ぐシーン!
そりゃあもう、サンタフェでしたね!

"美少女に導かれて楽園へ"なんて、全世界のダメ男達、共通の夢!
鑑賞中はチュルパンに片想い、鑑賞後にはチュルパンロスに身悶えること必至、でありましょう。

かくいう自分も、人後に落ちないダメ男。
チュルパンチュルパン唱えながら、全身の毛穴からロマン汁を垂れ流して鑑賞を終えた次第。

チュルパンに心を掻き乱された結果、真っ当な評価を下すだけの判断力は残されておりません。

"ここではないどこか"に対する憧れが詰まっていて、とってもキュートな映画であった…と思います、多分。
もちろん女性の皆様にもオススメですよ。

…連日の報道を見る度に、"貴りえ"騒動も遠くになりにけり…つってね。
映画全然関係ないね…マジでサンタフェ…。
イペー

イペー