映画大好きザウルスくん

北斗の拳の映画大好きザウルスくんのレビュー・感想・評価

北斗の拳(1995年製作の映画)
2.1
ゲイリー・ダニエルズの動き自体は悪くないのですが北斗神拳に見えるかと言われれば決してそうは見えないし、何の策も練らずに撮影してしまった北斗百裂拳は流石の失笑クオリティだったし、やはり『北斗の拳』というタイトルの重圧に耐えきれなかった印象を受けます。

とりあえずケンシロウ周りの描写は北斗百裂拳以外1000歩譲って許してあげたとしても、シンもまたかなりの問題児で冒頭からリュウケンを南斗聖拳を使わずに銃殺したり、本来はケンシロウの北斗神拳が内部から、シンの南斗聖拳は外部からの破壊を目的とした拳法であるはずなのにシンの南斗聖拳まで内部から破壊する設定を加えられていて差別化が計れなくなっていたり、他にもリンとバットが兄妹である設定に変えられていたり、とにかく原作ファンである自分は耐え難い違和感に終始ダメージを喰らいながら鑑賞するツラい時間を味わいました。吹き替え声優陣がアニメ版キャストそのままだったのが唯一の救いでしたかね(逆に声だけ本格派で映像がこれだけの代物だとそれはそれで違和感しかありませんでしたが…)。

個人的に敵の巨漢役(恐らくハートを意識?)にアメリカでも日本でも人気の高いプロレスラーのビッグバン・ベイダーを起用していたのが興味深く、これだったら無理して『北斗の拳』の名を背負わせずにヴァンダム映画の様なアメリカ版カンフー映画のようなバランス感でダニエルズVSベイダーを主軸にした物語にした方が面白かったんじゃないかなぁ〜なんて思ったりもしました(流石にそれじゃ観客来ないけど)。

DVDに収録されていた神谷明ナレーションによる1時間弱のメイキングも観た上でこれだけの批判をするのは心苦しいのですが仕方がありません。ちなみにこれまで観た百裂拳系統の描写だと『イップマン』の連続パンチが1番それっぽかった気がしますので、そちらを観るのがオススメです🙌✨