イチロヲ

濡れた欲情 特出し21人のイチロヲのレビュー・感想・評価

濡れた欲情 特出し21人(1974年製作の映画)
4.5
無軌道な流浪生活を続けている娘(芹明香)が、狡猾なナンパ師(古川義範)に籠絡されながら、ストリップの世界に身を投じていく。ストリッパーに転身した女の生き様を描いている、日活ロマンポルノ。

「悪知恵が働くナンパ師の生態」と「同じ男に誑し込まれた女たちの一蓮托生」を、ストリップ一座の群像劇と重ね合わせながらスケッチしていく。本物のストリップ嬢が特別出演しているため、「その時代」の空気感を感じ取ることができる。

アドリブ重視の野外劇「はみだし劇場」を展開していた、外波山文明(とばやま・ぶんめい)が本人役で出演。彼の路上パフォーマンスをゲリラ撮影で収めており、ストリップ劇場と外の世界(=虚構と現実)を暗示させているようでもある。

ドラマ展開は、ストリップ業界からの「脱出不能状態」を描いていくパターン。先輩ストリッパー(片桐夕子)と後輩ストリッパー(芹明香)の化学合成が見応え満点。情欲に踊らされる人間たちのカオス状態を堪能することができる。
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