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ゴモラの一のレビュー・感想・評価

ゴモラ(2008年製作の映画)
3.3
『ドッグマン』のマッテオ・ガローネ監督作品

イタリア南部ナポリを本拠に、マフィアを凌ぐ権力と経済力を誇る犯罪組織「カモッラ」の暗部を描き出した社会派ドラマ

決して犯罪組織を美化したスタイリッシュな作品ではなく、ドラマチックな展開なども皆無
並行して進む5つのエピソードを淡々と映し出したドキュメンタリー風の作品
犯罪組織を取り巻く治安の悪さや、容赦なく子供を使ったりと『シティ・オブ・ゴッド』に似ている要素も多々ありますが、さすがにそんな超大作と比べてしまうとパンチに欠ける印象

あまりにも冷酷でリアルな物語にげんなりする
組織に使い捨てされるおじさんや少年たち
躊躇なく銃の引き金が引かれ、子供が当たり前のように犯罪に利用されている現実

『スカーフェイス』に憧れ、組織のなわばりでもやりたい放題している二人組は救いようがないアホなんだけど、これが映画的には1番面白い

出演した俳優が、実は指名手配中の組織の一員であることが分かって公開後に逮捕されたり、原作者の方が実際にギャングから殺害予告を受け命を狙われていたりと…
そういう要素も含め、限りなくドキュメンタリーに近いと言えるかもしれません

エンドロールの不穏な音楽が映画の重みをグッと高める
なんともいえない余韻に浸り、平和に暮らせている事にホッとした

[Rotten Tomatoes 🍅92% 🍿70%]
[IMDb 7.0 / Metascore 87 / Letterboxd 3.6]

2020 自宅鑑賞 No.369 GEO
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