くるみ

スター・ウォーズ 特別篇のくるみのネタバレレビュー・内容・結末

スター・ウォーズ 特別篇(1997年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』公開を前にして、駆け込みでスター・ウォーズマラソンを始めたので、覚え書きを残しておきます。

その前に、私自身と『スター・ウォーズ』のこれまでのお付き合いについて説明します。公開一週間前からの旧作復習で察せられる通り、強い思い入れはありません。
出会いは、今を去ること16年前。1999年の『エピソード1/ファントム・メナス』公開時になんとなく映画館に観に行ってアナキンの成長譚に心打たれ、帰ってきてすぐにエピソード4から6を鑑賞。でも、深くはまりこむことはなかったです。エピソード2と3は公開時に見ました。
つまり、鑑賞順は1→4→5→6→2→3で、ファーストインプレッションだったエピソード1に思い入れが強い仕様になっています。
おそらくファンダム的にはかなり邪道な鑑賞方法なんでしょうが、薄いファンとはそんなもの。エピソード1の評判悪いとか最近知りましたし、派生作品も見ていません。
エピソード7公開にあたっても、日本の映画業界のやり口に思うところ多く、公開一週間後くらいにゆっくり見に行こうと思ってたんですが、祭りに乗りたくなってつい公開二日目の回をポイントで予約……意志の弱い薄いファンです。
なので、この復習もゆるい姿勢でやっていきます。当時の記憶ははるか彼方の銀河系に飛ばされており、4~6のあとに1~3を見るつもりだけど時間がないので旧三部作で終わるかもしれません。ジョージ・ルーカス監督及びJ・J・エイブラムス監督への思い入れも特にありません。
以下の感想には、他のエピソードのネタバレも出てくるのでご注意ください。

さて、エピソード4です。'77年の公開です。
現代映画と当時の映画の違いの一つは、テンポのゆっくりさだと思ってるんですが、この作品でも、主人公ルーク・スカイウォーカーが出てくるまで17分もかかってます。しかも、わりとおっとりした登場でこれぞ主人公!という迫力はない。当時の観客の方々は、どこでこの青年の主人公らしさを感じたのかな。オビ=ワンと出会って村が焼かれたあたりなのかな。

私がスター・ウォーズのなかで一番惹かれているのは父息子要素なんですが、まだアナキンとルークの関係性が明かされていない一作目から、父息子描写が前面に押し出されてるんですね。ルークと叔父の屈託と秘密、ルークとオビ=ワンの邂逅と教育。
オビ=ワンがね「おまえの父親は優秀なジェダイの騎士だった」「親友だった」という一方で、ダース・ベイダーについて「フォースの暗黒面に堕ちた」と語っていて、もう色々こみあげてくる。「観客は知ってるけど、キャラの一部は知らない状態の語り」に弱いですし。
オビ=ワン役のアレック・ギネスはこの秘密を知って演じてたのかな?と思っていま調べたら、逆にオビ=ワン役への後悔を目にしてしまい…ジェイク・ロイドといいマーク・ハミルといいスター・ウォーズシリーズは役者のその後が微妙なパターン多いね…。

けっこう意外だったのは、ハン・ソロとレイア姫のキャラ造型。ハン・ソロの悪さはステロタイプではあるんですが、のちのちヒーローとして立てるにしては予想よりも悪辣でした。一応、金の無さが悪どさの理由になってるんですが、照れ隠しとかではなく板についている造型。最後に助けに来るところも義侠心にかられてというより単純に活躍したかった感でよかったです。

レイア姫については、女性キャラのジェンダー基準がブレイクスルーしたこの2015年に見ても、ノイズを感じない造型になっています。守られるだけのお姫様じゃないキャラは当時からあったとしても、強靭さと高飛車なところとフェミニンさの融合の加減がうまいです。その場に応じて必要な役割を担っている。銃を撃ってるところはレジスタンスにしか見えないし、出撃前のルークの頬にキスするところは姫らしいです。そういえば、レイア姫はルークが兄だって知ってたんでしたっけ?思い出せないなー。

このシリーズの最大の秘密と魅力は、ルークとレイアが双子であり、その父親が元ジェダイの騎士ダース・ベイダーであることなんですが、これ知らずにスター・ウォーズ見てる人っているんだろうか。一本も見てない人にだって知られてるはず。あまりに大きなネタバレはネタバレにならないという例ですね。

ダース・ベイダーについては、悪の帝王なイメージが染みついてますので、上司がいて敬語で喋ってんのがなんかすごい違和感でした。アナキンは、エピソード1~3でもフォースは大事だけど宇宙情勢どうでもいいみたいな姿勢が印象的でしたが、闇堕ち後も政治に興味なかったのかな。強大な力を持ってるわりに雇われ将軍なんだよな。
それと、この方はレイア姫が娘なのは知ってたんだっけ?処刑のシーンで「まだ使える」と留めるくだりなんかは、温情に見えないこともないし。今後のチェックポイントですね。

えーと、ぜんぜんストーリーに触れていませんが、スター・ウォーズは世界観とキャラクターの魅力でストーリーが進んでいくんだよなーと実感したので、あまり言及することがないというか。タトゥイーンの治安の悪さ、モノ言わぬR2-D2が機密を持っていて3POしか通訳できないという構造や、SFなのにフォースが重要とか非常に良い。

最後に、オビ=ワンとダース・ベイダーの対決について。エピソード1から入ったせいか、私はオビ=ワンとアナキンのストーリーラインへの思い入れが強く、オビ=ワンの心中を察しすぎて脳内が大変なことになりました。
オビ=ワンは3のラストでアナキンを殺さなかったことに後悔は当然あっただろうけど、だからといって、生きていることを喜ばなかったわけでもなく会えて嬉しかっただろうし、その一方で導き手として一度失敗した自分にまだ役割があったことにも嬉しかっただろうし。その複雑な感情が今際の際の笑みに収斂されていて、もう、なんともいえません。たしかあそこは、エピソード1でクワイ=ガン・ジンが殺されるところと同じ構図だったような。
そうそう、オビ=ワンの遺体がないのはなんでだっけ。今後チェックしないと。

というわけで、義務感の強い状態でのマラソン開始でしたが、見始めると思い入れが出てくるので、やっぱり新三部作も見返したいなあ。この一週間はフォースとともに過ごしたい。
2015/12/14
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