HAYATO

バグズ・ライフのHAYATOのレビュー・感想・評価

バグズ・ライフ(1998年製作の映画)
3.8
2024年164本目
『トイ・ストーリー』のスタッフによるピクサー第2の長編フルCGアニメーション
アント・アイランドのアリたちは、凶暴なホッパー率いるバッタ軍団に貢物を納めるため重労働を強いられていた。ある日、発明好きな働きアリ・フリックの失敗が原因で、苦労して収穫した貢物が台無しになってしまう。責任を感じたフリックは、激怒するバッタたちから仲間を守るため用心棒を探しに出かけるが、街で出会ったサーカスの一団をヒーローと勘違いして連れ帰ってしまう。
『トイ・ストーリー』の監督・ジョン・ラセター&脚本・アンドリュー・スタントンが共同監督。
宮本充さん(シンバ・『ライオン・キング』)、壤晴彦さん(スカー・『ライオン・キング』)、土井美加さん(デイジー・ダック)、島香裕さん(グーフィー)ら、ディズニーに馴染みのある面々が吹替を担当。ピクサー作品にしては珍しく、ほとんど本業声優のみが吹替を担当している。
本作誕生のきっかけは、『トイ・ストーリー』の制作が大詰めを迎えたある日の昼休憩中のスタッフの会話。そこから虫の生態を徹底的にリサーチし、イソップ童話の『アリとキリギリス』や伝説の日本映画『七人の侍』をモチーフにして作られた。製作に当たっては『トイ・ストーリー』の10倍もの処理能力を持った最新式コンピュータが採用され、霧や雨、稲妻や炎、キャラクターの動きなどがよりリアルに表現できたそうだが、CGのタッチや質感は1作目の『トイ・ストーリー』に非常に近く、なんとなく懐かしさを感じられた。
「虫」の話なので取っ付きにくかったけど、キャラククターはピクサーらしく可愛くデフォルメされているので気持ち悪いとは思わなかった。虫の生態をうまいことネタにしていて、スリム(ナナフシ)がフランシスと共にホッパーを追いかける途中で枝木に引っかかって擬態してしまうシーンが特に面白かった。また、虫たちの小さな社会がコミカルに表現されていて、その細かな描写は『ズートピア』の世界観にヒントを与えていそうな気がした。虫にとって雨粒はこんなにも恐ろしいんだなと思わせる虫視点の描写もユニークだ。
主人公の挫折から始まるテンポの良い展開に引き込まれ、強者を倒すために集った弱者の連帯と絆、友情に、ほのぼのとした気持ちで包まれた。
遊び心満載のNGシーン集を収録したエンディングが最高!
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