カトキチ

ファースター 怒りの銃弾のカトキチのレビュー・感想・評価

ファースター 怒りの銃弾(2010年製作の映画)
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『続・夕陽のガンマン』をモチーフに『ザ・ドライバー』への目配せもある激シブ映画で、しっかりメキシカン・スタンドオフも濡れた路面も登場する(といいつつアメリカ映画の路面は夜になると結構濡れているものだが)。特典で入ってる「もうひとつのエンディング」がすばらしく、マーケティングの段階では不評だったらしいが(確かに言われてみると主人公の行動に正当性が……)、こっちだと正統西部劇ともいえる対決が待っており、なんとラストはニューシネマ的に終わるなど、作品が映画史を駆け抜けるという映画好きにはたまらない仕様に変身するだけにこの改変はなんとも惜しまれる。

コミック的なキメ画を早いカット割りでぶった切り、捜査会議の最中にカメラがグルグル旋回するなど、映像面もかなり凝った作り。後半、説教臭くなるのがアレだが、それを差し引いてもかなりの出来。そのタイトルとロック様のせいで食指が伸びなかったが、そのギャップにもやられた。おすすめ。
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