イホウジン

第三の男のイホウジンのレビュー・感想・評価

第三の男(1949年製作の映画)
3.9
なによりも、光と影の使い方が本当にうまい。白と黒によって構成されるモノクロ映画の特性を、効果的に活用しているように見えた。存在すらも疑わしい第三の男を闇に見立てることで、その不気味さとカリスマ性が強調されている。映像と物語のマッチングという意味では、間違いなく映画の歴史に残る一作なのであろうことは、素人の私にも分かるものだった。
第二次世界大戦によって荒廃したウィーンというロケーションも映画に深みをもたらしている。破壊と再生の間にある混沌が、「第三の男」に体現されているようだ。
イホウジン

イホウジン