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第三の男のStarstreamerのレビュー・感想・評価

第三の男(1949年製作の映画)
4.8
WW2直後のウィーンを舞台に、親友ハリーを探す作家と、ハリーの恋人の運命が絡み合うフィルム・ノワールの名作。
自分は白黒映画はあまり馴染みがなかったが、カラーとは一味違った映像の美があることを初めて知れた。アカデミー賞を受賞しただけあって、光の濃淡を絶妙に使い分ける描写が物凄く上手い。技術が今ほど進歩していない時代でも、工夫のしようによってカラー作品を凌駕すると言っても良い程の味わいを出すことができる、これはモノクロだけがなせる技ではないか?
古い作品ということで、その時代にありがちなコマ使いや、不自然に見えるような動きはあることを覚悟して観たが、意外にもすんなりと作品に入る事が出来た。
また、ハリー役のオーソン・ウェルズの好演も光っていた。ラストのセリフ無しで、演技だけで感情を表すシーンは最高。前に観た作品の感想でもクドく言ってしまっているが、無駄な音楽や台詞無しでクライマックスをやる映画が最近は本当に少ないから、想像しながら楽しむ事が出来て良い。
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