アラン・ラッドというと後にも先にも「シェーン」しか思い浮かばないのだけど、結構な数の映画に出ていて、現代物の他作品内でスクリーンやTVに映っていたり、登場人物が言及したりするシーンに出くわす。
何だかアラン・ラッドが久しぶりに見たい、面白そうな粗筋、そして劇中で使われる「モナ・リザ」がアカデミー賞の歌曲賞受賞ということで見始めた。作詞家のレイ・エバンズは他にも「ケ・セラ・セラ」「ボタンとリボン」でも歌曲賞を受賞するなど凄い業績。
本作はレビューもクリップも少ないーーけれども、なかなか面白かった。1940-60年代のモノクロ映画は当然ながら画質が良くないのだけれど、かえってそれが何とはなく脳内イメージみたいな雰囲気を醸し出し、ときどき観たくなる。
大戦末期、米軍の主人公が北イタリアのパルチザンと共に戦っていたころ、裏切者がいて惨劇となる。かろうじて生き延びた主人公が戦後、裏切者を探し出すというお話。雰囲気がヒッチコック作品のようで、なかなかのサスペンス、ミステリーになっている。イタリア語には字幕が付かず、観ている側も米国人のアラン・ラッドと同じアウェイ感を味わうことになる。そして「モナ・リザ」のメロディは、まさに「知りすぎた男」の「ケ・セラ・セラ」のような役割を果たす。
ちなみに、ナット・キング・コールが歌うバージョンはダウンロード購入してるし、1986年の映画「モナリザ」も大好きだったりする。