GaPTooth

ヨーロッパ一九五一年のGaPToothのネタバレレビュー・内容・結末

ヨーロッパ一九五一年(1952年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

とことん暗い。
そして終盤は宗教色に染まりきって終幕する( ´-ω-)y‐┛パフ~~ッ!

1951年という時代背景。
階級制度の存在や市井の人々が置かれた過酷な生活を知ってしまったイレーネ。
愛息ミシェルの逝去による心の喪失感を埋め合わせるために自らの信じる「永遠に続く楽園」を実現するべく奔走する。
が、やること成すこと全て空回り。何の救いともならない。
挙げ句に犯罪者の逃亡を手助けした罪で警察沙汰となるに至って「イレーネは精神的に病んでしまった」と思い込んだ夫や母親つまり家族によって病院へ収容されてしまう。まるで1世紀当時、宣教や奇跡を見せ始めた当初のイエスについて母マリアとイエスの兄弟たちが「あの子は気が狂ってしまった」と連れ帰しに来たように。
さらにここから《[聖書]の四福音書に記述されているローマの総督ピラトによるイエス・キリストへの質問と返答》の内容がイレーネと医師たちによってなぞられていくのだが、イレーネの母親まで現れて(笑)まるで罪人として引き出されるイエスのような描き方に笑いを堪えきれなかったヾ(≧∀≦*)ノ〃最終的にイレーネは市井の人々からは聖女と呼ばれてましたね(笑)

※夫の依頼で病院を訪れた牧師と『神の愛』への信仰について交わした議論は実に興味深かった。
『神の愛(アガペー)』は[自分よりも他の人の幸福を優先する]それはキリストの示された自己犠牲そのものであり最大の愛の表明。
イレーネが他の人々に示した数々の善行は果たして『神の愛』と同様の意味を成しているのか?!ってところが鍵となるのだろうが...
[聖書]に関する知識が無いと分かりずらい日本人にとっては不親切な映画。
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