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恍惚のMTMYのレビュー・感想・評価

恍惚(1992年製作の映画)
3.5
1924年、アメリカで実際に起きた残虐な少年殺人の「レオポルドとローブ事件」がもと。裕福で聡明な青年ネイサン(レオポルド)とリチャード(ローブ)は、彼らの暇潰しの延長で強盗などよ小さな犯罪を繰り返し、逃亡していた。ある日、大金を手に入れようと誘拐殺人事件を実行してしまうが、あっけなく見つかり逮捕されてしまう。ユダヤ系かつホモセクシュアルな関係であることが社会的にも”的”となり、当時の法廷を揺るがす事態になる。
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ファッション雑誌のバチバチにかっこいい中面を動画で見ているような冒頭、ただならぬ”恍惚”感がすでに開始早々から流れた作品でした。互いに駆け出した2人の青年が口から出した指輪を互いにはめるカットで彼らがゲイであることを示唆してくれます。

この作品の興味深かったところは、なんといってもモノクロで切り出されるキマったカメラワークと映像。
そして果たしてどういう観点でこの作品をみればいいのかなというところ。そして、
彼らが「ユダヤ系」「ゲイ」である=圧倒的マイノリティ、社会の批判的な的であったこと。これは容易に想像できますが、横顔の分析などで性格を炙り出すというややインチキ臭く、現代ではそれこそ差別ともなりそうな手腕で”完全なる犯罪者”としてのブロックを積んでくるのが新鮮でした。(本来ならば絞首刑になるところを、彼らが雇った有能弁護士のおかげで終身刑+99年となったそう)

ただ、これが単なるマイノリティの犯罪映画としてみられるというのは少々ふにおちず… 正直観ていて「ローブって実はバイなんじゃないの?」「侍従関係ぽい?」っておもったし、2人の性別を超えた関係性の描き方や人間としての”汚い”部分、裏なんかを後半では観させられている気も。
「マイノリティだから」ということではなく、残虐な殺人鬼がたまたまユダヤでありホモであり、罪になればみなおなじなのにね、っていうメッセージもあったりするのかなと思いました。推測ですが…

この“恍惚”というのは、正直捉え方が分からないですが、2人の性的な関係性も意味しながら、人間の残虐性を産む”もと”であり、それはある意味で”嫌悪感”の裏返し的な野次馬精神であり、または、”支配と従属”を成立させる要素でもありそうです。

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