まりぃくりすてぃ

チェブラーシカのまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

チェブラーシカ(1969年製作の映画)
5.0
ロシア人とロシア文化は神から私たちの地上に贈られた宝。これみると、そう想える。

1話〈こんにちはチェブラーシカ〉……当時のロシア国民の迸るミカン愛(貴重品だったそうです)でスタート。レンガ下敷きを寸前で止める何気ない至高芸にハラショー。
2話〈ピオネールに入りたい〉……日本の「あーぶくたった♪」みたいな遊びに目を瞠る。小っさい子三人組が好きすぎる。ワニが水性であることをちゃんと活かしてる知性。
3話〈チェブラーシカと怪盗おばあさん〉……洗練度がさらに上がってる。おばあさんの女子力も。歌で泣いた。

悪役シャパクリャク(吹き替えだと「策略」っぽく聞こえる)ばあさんは、アメリカ帰りという設定を聞かなくてもアンクルサム(アメリカ白人男性の象徴的風貌)を下敷きにしてる感・ネズミのラリースカもミッキーマウスを想わす感があったりするんだけど、①でも③でも、みるみるうちに和解・調和・平和へと着地したのが魔法よりもすてき。(ミニーマウスがちゃんと善行に協力してたし。)
物悲しさも音楽とかにきちんと染み込んでる。こんな聖(きよ)い映画を創る国に本当の悪人なんているんだろうか。「スパシーバ」がたくさん出てきたことにスパシーバ! 今夜もボルシチ作る私。隠し味に味噌を入れるつもり。

[YouTubeでは平板なアニメ声で主役の魅力半減な “吹き替え版” しかみれないので、ちゃんと円盤の字幕版でいくべき]


▽エンディングのバリトンだ!

時はゆっくり過ぎていく
過去にはもう戻れない
過ぎ去った時を残念にも思うけど
未来はもっとすてきだよ
広がる大地に長い線路が延びている
そして地平線に突き当たる
誰もがみんな いいことあると信じてる
走るよ 走る 空色の客車

誰かを傷つけたかもしれない
それでも今日は終わる
新しい冒険に向かって急ごうよ
よろしくね 機関士さん
広がる大地に長い線路が延びている
そして地平線に突き当たる
誰もがみんな いいことあると信じてる
走るよ 走る 空色の客車