ゲイ青年のユーモラスでのどかな恋愛模様を描く前半から、
鬱蒼とした夜の森奥で虚実人妖一切が変容しだす後半へ。
通常の「映画」文法に沿う解釈から最も遠い鑑賞体験。
葉音に水音、吐息と眼光。
冒頭…
同じ監督の『真昼の不思議な物体』に続けて劇場鑑賞。
森林警備隊の一団が森から変死体を持ち帰るシーンから物語は始まるのだが、最初の場面での出来事から想像したのとはかなり違う方向に作品の世界が広がって…
前半はホモソーシャルな青春物語。
まあ、よくあるよねって感じだったが…
後半に一変する。
男が人を追いかけて、深い森の中をずんずん進む。
追いかけて、追いかけて、ヒルにかまれて、それでも、追いかけて…
これはやばい。
DVD+Macの環境でも十分変性意識状態に入るような後半だったが、映画館でぜひとも後半を体験したい。
総じて、編集もショットも、
記号的ではなくて詩的、
心理ではなくモード・ムード…