似太郎

修羅の似太郎のレビュー・感想・評価

修羅(1971年製作の映画)
4.6
松本俊夫の前作『薔薇の葬列』と比べて前衛映画色が薄まり、割りかし正攻法で不条理極まりない時代劇となっている。

主演の中村嘉葎雄がシリアル・キラーとなり人をバッタバッタと斬りまくる。

鶴屋南北の原作『盟三五大切』を現代的に解釈した所謂「復讐もの」としては出色の出来栄えになっている。アングラ演劇の重鎮、唐十郎が憎たらしい役で出てくる。(最終的に主人公に殺されるが)

主人公の仇討ち・殺戮を当時の連合赤軍の内ゲバに置き換えた意味でも松本俊夫らしく非常にインテリジェンスなやり方と言える。なんともドス黒い内容である。脚本と構成が神懸かり的。🥷🏮
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