伊達巻

修羅の伊達巻のレビュー・感想・評価

修羅(1971年製作の映画)
5.0
なんじゃこりゃ死ぬほど凄いわ破茶滅茶におもろい映画に殺されるかと思った目黒シネマ35mm上映にて。暗がりに御用の文字が踊る始まりからして流石にカッコよすぎるし夢みたいな夢から覚めてあんなに大きい耳糞、なのだからもう既に面白すぎる。最小限にして隅から隅まで完成され切った舞台、俯瞰の図まで半端なく美しい。「おいまて三五郎」のところなど笑いを隠すほうが無理というほど愉しく観れるが打って変わって天地逆転の修羅修羅場、最後半など地獄絵図と呼んでさえ形容しきれない怒涛の場面の連続であるが泣けるほど画がキマッちゃっるので(なんだあの桶の蓋の完璧すぎるロケーション)感情という感情が言語化されぬままに途方も無く遥か彼方にすっ飛んでいってしまう。奇跡も泣いて戦慄く135分、どこを取っても触れて切れるほどキレッキレで美しい、照明だけで米一合いける。余りにも凄すぎて気付けば泣いてた。この世でいちばん凄いとかいうと又笑われるだろうがとにかくこのバケモンみたいなド傑作にぶん斬られたあとの余韻との向き合い方がおれには分からない、全身全霊をぶちのめされて今すぐにでも幸福に死ねるだなんて思ってしまうほどには凄かった冗談は言えない
伊達巻

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