よつゆ

修羅のよつゆのレビュー・感想・評価

修羅(1971年製作の映画)
5.0
すべてが不幸な運命を辿る悲劇。

はじめは浪人・源五兵衛と、芸者・小万との恋愛譚のように思う。
あまりにも可愛らしい小万。
その声、その所作、そのささやき。
巧みに男を惑わす小万の色香。その色香は観客をも魅了するが、次第に怪しみを帯びてくる。
そしてその後、少しドタバタなコメディに調子は変わる。
源五兵衛がはめられまいとしながらも、結局はまんまと罠にハマり、そっくり百両明け渡す。
そうして小万との恋愛譚が再開するかと思いきや…
ここからがまさに地獄絵図。
修羅と化した源五兵衛が向かうのはあまりにも報われない現実。
後悔してもあまりにも遅い。
何故こうなってしまったのか。

冒頭から見ていた源五兵衛の夢が、少しずつ現実と合致してゆく。
あってはならないピースが当てはまってゆくようで、とても恐ろしい。

本当に報われない。
史上最高に胸糞悪い映画であったように思う。
上映が終わったあと、本当に立ち上がりたくなかった。
めっちゃため息も聞こえたし笑
いや、あれはため息でるな。
最高の映画でした。
よつゆ

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