Omizu

夕凪の街 桜の国のOmizuのレビュー・感想・評価

夕凪の街 桜の国(2007年製作の映画)
3.4
【2007年キネマ旬報日本映画ベストテン 第9位】
『この世界の片隅に』こうの史代の同名漫画を『半落ち』佐々部清監督が映画化した作品。前半の主人公を演じた麻生久美子は毎日映画コンクールなど数々の主演女優賞を受賞した。

広島を舞台に、二人の女性を描いている。前半の「夕凪の街」では終戦から13年後、被爆者となった平野皆実(麻生久美子)を、後半の「桜の国」では現代を生きる石川七波(田中麗奈)を描くという構成になっている。

全体的なトーンがやっぱり『この世界の片隅に』に似てるな。佐々部清監督作品は初めてだが、佐々部監督というよりはこうの史代の雰囲気なんだろう。暖かな人情を描きつつ、戦争の悲惨さを裏に隠している感じ。

もちろんこのテーマの深刻さは疑いようがないし、真摯に描いていると思う。しかし全体にキレイにまとめすぎ感は否めない。一番気になったのは演技が段取り臭いこと。特に後半はより気になる。そもそも展開に無理があるというか。50回忌だからってそこまでわざわざするかな。

いい映画ではあると思うが、ややご都合主義が目立つ。色々とタイミングが良すぎる。リアリティがあるとはあまり思えなかった。漫画を読めば色々分かるのかな。
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