Asino

ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還のAsinoのレビュー・感想・評価

4.0
昨日IMAXで。もう何回目かわからないけど、今回改めて最後のフロドの姿にPTSDを抱えた帰還兵のイメージを重ねてしまった。

前回見たのはサー・イアン・ホルムが亡くなった2年前だったんですけど、さて今回が何回目なのかはもう全然わからない(笑)(繰り返し見てたのはSEE版のほうだけど)

私は大昔に原作を初めて読んだ時からアラゴルンのファンでそれは変わらず、比較的短期間にFotRから見たのでなおさら、彼が自分の宿命を受け入れていく過程を見届けた感があったのですが。

しかし今回改めてしみじみ考えたのはフロドについてだったかも。WWIで塹壕戦を生き延びたトールキンが書いた指輪物語の主人公は、結局自分が救ったシャイアに戻っても傷は癒えず、平和なホビットの生活になじめずにエルフと西方へ旅立つことを選ぶ。

彼がサムと乗り越えた険しい道のりの途中に現れる死者の沼地は、原作者のトールキンがWWIで経験した塹壕のイメージからきてるというのは有名な話だけれども、PTSDなんて言葉がない時代に、どうにか生き延びて帰国しても普通の生活に戻れずに苦しんだたくさんの帰還兵がいたのも同様で、なんというかちっともファンタジー大作として見れなくてなおさらつらくなってしまった。

もちろん何度見てもエオメルは格好いいし(あの突撃の時の目つき!)、ピピンの歌は最高だし、エオウィンはファンタジー作品の中でも最高の女性キャラだと思うし、アルウェンと再会した王様のセクシーさにおいおい、って思うわけですが(戴冠の歌も好き)
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