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ガンファイターの最後の2秒前のレビュー・感想・評価

ガンファイターの最後(1969年製作の映画)
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泣いた。ウィドマーク演じる老保安官が生き方を変えられないばかりに屍の山が築かれていく。

最初にウィドマークに銃撃を仕掛ける男。ウィドマークと自分の嫁が寝ていることを知りながら、娼館に来ては女を抱きもせずベッドで泣いている。娼婦に金を拒まれ、叩いたりしてみるも漢気を履き違えたその姿はどこまでも情け無く、最期は返り討ち。

ウィドマークに退任を促した男は、逆上した彼に殴られ項垂れる姿を息子に目撃され、威厳を失う。それを取り戻すために彼を殺そうと試みるが、ライフルを片手に街をうろつく姿はどうもおぼつかない。いざウィドマークに狙いを定めるも、真っ直ぐにこちらを見つめる彼を撃つことは出来ず、自害する。

彼の息子は父の仇を討とうとするも、返り討ちにあい、今際の際に仇から父の秘密を知らされる。若い命が散っていく(彼との一瞬の攻防な活劇性!)。

そしてウィドマーク。ボロボロになりながら自分が殺した男の葬儀に来るも、言葉は見つからず、蜂の巣になるために街路に出る。ボロ雑巾のような最期が切ない。

そして去っていく未亡人。葬送の映画。アラン・スミシー名義などのアカデミックなあれこれ抜きに、ただただ泣ける男の映画だった。
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