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プレッジのarchのレビュー・感想・評価

プレッジ(2001年製作の映画)
4.4
プレッジ 「誓約」という意味。警官である主人公が引退の日に被害者遺族に「必ず犯人を見つける」と誓ってしまったことで1人の人生が壊れていく話になっている。
彼が「犯人探し」に固執していく流れが、正気として描かれている前半はある意味観客も彼の強い意志に共感しながら鑑賞していく。その間で彼が育んだ親子との絆も「本物」として映る。しかしながら、それらの正気の沙汰が、一瞬にして瓦解していく。ジャック・ニコルソンの演技や『シャイニング』という代表作を持つ彼の映画的性質によって、「狂ってる」という可能性が前景化してくる。その急激に気温が下がるかの感覚が本作の白眉であり、そして行き着くゴールを失うラストは見事なバットエンドだった。

「犯人を見つける」という目的に固執するあまり、自らの行動や彼が途中積上げたものの尊さを忘れて執着すること。そして偶然が簡単に人を狂わせる恐ろしさ。犯人が死んだという事実が、こんなにも皮肉に働くのかと呆然としてしまった。
『インソムニア』なんかも連想させる作品だった。
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