ミシンそば

プレッジのミシンそばのレビュー・感想・評価

プレッジ(2001年製作の映画)
4.4
いつか観返さないとなってずっと思っていた作品。
基本的に、2.5点(5点)を基準としていた「今よりちゃんと映画観てない時期」の3.5点(7点)以上の作品には何かあるって思っていたが、やはり今観るべきという考えは間違いではなかった。
使命感と言う“呪い”に心を喰らい尽された哀れな正義感の末路、とでも言うべき、クッッッッソ露悪的な映画(そう思えないかもしれないが、褒めている)。

まず主演のジャック・ニコルソンは、“使命感に呪われた男”を完璧に演じきっている。
引退後すぐの時点で、目の据わり方があまりにも狂気を孕んでいるし、楽しいはずの引退後の生活もすべて上の空、
ニコルソンが過去に演じたいかなる悪人キャラのそれを凌駕する狂気が、使命感の強い元刑事ジェリー・ブラックから発露しているのだ。
全てを(狙いを定めた場所で見つけた新しい愛のようなものすら)利用して、犯人を追い詰めようとする執念は、そう形容するほかない。

役者としてはともかく、映像作家としては正直どうなんだろうって個人的には思っているショーン・ペンだが、初期監督作はこういう容赦のない感じが漂っていて好きだ(これしか観てないけども)。
キャスティングの異常な豪華さに、ペンの“人望”が垣間見える点と、最悪の余韻を残しながら終わる点も含めて。
(気性難で有名なペンではあるが)。