好きなタイプの映画だったから、途中で何度も寝てしまった。この映画にはストーリーらしいものが無くて、しばらく寝てても事態は別に進展していなかった。「あー、ただ続くんだな」と思った。それで安心して、車のエンジン音と壊れた家を建て直す音が頭にゆっくり響いてきて、気付いたら寝るっていうのを後半は繰り返した。こういう時間が本当に好きだけど、こう思える映画は少ない。砂浜とか森のヒーリング映像ではこうはならない。タルコフスキーのときはちょっと近いことが起こったけど、今回はそのときともちょっと違った。
ちなみに一緒に見てた両隣の友達はしっかり起きてた。
あと、最後のシーンの、山を登っては登りきれず、ズルズル下がってはまた登ってっていう様子を遠いところからずーっと撮ってるあれは良かった。目的地に辿り着くところで終わるんではなくて、その道中の坂を登りきったところで終わるのが面白かったし、それがちゃんと意味を生んでた。人生は途方もない。