Wakana

そして人生はつづくのWakanaのレビュー・感想・評価

そして人生はつづく(1992年製作の映画)
4.5
前作は子どもの視点で人生の理不尽さを粛々と受け止めることについての話だったが、今作は悲惨な現実(実際の大地震や被災者と虚構の物語が複雑に入り組んだ現実)から一歩離れて、流れに身を任せる人間の強かさを描いていた。英題の“Life goes on”もいい。何を失くしても目の前の生活は待ってくれないから。ラストのジグザグの激坂を荷物を抱えながらゆっくり登る男性もなんか泣けた。
途中で涙を流し嘆きながら話しかけてきた老年の女性がいたが、彼女の悲惨さより皿洗いの少女がまだ自分に起きた悲しみを語る言葉を持てない悲惨さのほうにぐっと心が動く。
いずれの悲惨さにしても生き残った人の人生はつづく。それを優しく見つめる眼差しがいい。
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