Ryoma

そして人生はつづくのRyomaのレビュー・感想・評価

そして人生はつづく(1992年製作の映画)
4.1
地震によって無残に崩れ去った家々の数々。映画監督であるアッバロ・キアロスタミが現地の住民の声を聴くことで見えてきたもの…住まいや家族をなくし悲しみ途方に暮れる者、次は自分かもしれないと腹をくくり今ある人生を懸命に生きようとする者など様々な人たちがいて、そのインタビュイーの中に幼い少女の姿もあり暫く口籠り閉口しながらも徐に口を開き力を振り絞り辛い記憶を必死に思い出そうとする様が特に印象的で胸がぎゅっと締め付けられるようだった。それでも、それ以上に、前を向いて生きていこうと強い意志を持つ人たちの姿の方がもっと印象的で、お互いに助け合い協力し合う姿を見ていると“人“の逞しさや力強さ、美点を痛切に感じることができた。また、日本も地震大国と呼ばれるまでに地震が多発している現状を顧みれば、より現実味を帯びたものとして客観的ではなく主観的にみれたのかもしれない。

因みに…材料安価・耐久性・断熱性・調湿作用に優れた木造建築やマンションなどだと鉄筋コンクリートが多い日本🇯🇵だが、イラン🇮🇷では日干し煉瓦と泥の家が殆どだという。この日干し煉瓦造りは果たして暑くないのかと思って調べてみたら、夏は外部からの熱を遮断し、冬は熱を蓄えてくれるという耐熱性のある現地の材料で作られているらしく、気候や地域のそれ相応の建築材料で造られているというため、思っていたより暑くないのかもしれない。それに加え、イランの夏の最高気温は40°C前後で日本の最高気温記録の浜松市や熊谷市の41.1°Cとほぼ変わらないが、日本の夏は平均湿度が75%を超えているのに対して、イランは年間を通して実質0%でそもそも降雨が少ないことから梅雨がないといっても過言ではないとのことでそれも相まって若干涼しそう。
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